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「丹沢」
サイクリングするにはちょうど良い季節になりました。
土日に普通にやっと休めるようになったので、休養として家で大人しくしているのも悪くはないですが、運動不足感も強かったですし、ロングライドでもするかと思い、出かけました。
まったく体を動かさないのは健康によろしくないです。
行き先はとりあえず丹沢湖あたりを考えました。行ったこと無かったので前々から行きたいなぁとは思っていましたし、距離としても往復150km程度でリハビリには適当に思えました、この時は。
思えば1年半以上一日100kmを超えるロングライドしていないので結構な負荷なのでは?となんとなく不安もありましたが、勘が鈍っていたか深く考えず朝8:00に出発しました。
丹沢へは環状2号線(県道22号線)、国道1号線、長後街道(県道22号線)、国道246号を通っていきます。
国道246号で鶴巻温泉の辺りまでは普通に何事もなく来れたのですが、この先の善波峠を越えるところでバテ気味になります。右膝にも若干の痛みを感じるようになります。
善波峠自体は大した坂ではないとは思うのですが、普段あまり坂を登らないうえにロングライドも久しぶりだったせいか、痛みがだんだんとひどくなっていきます。
鶴巻温泉で湯治するか?とちょっと思いつつも痛みをこらえどうにか峠を登り切り、この後長く続く下り坂を進んでいきます。
秦野を通過し、松田町に入ったあたりの下り坂は渓流に沿って下っていく感じで走っていて楽しいです。S字カーブをバイクで走っていくのはこんな感じなのかな?と思いました。
楽しいけれどもちょっとのミスで大怪我しそうなスリルか、これが……と。
松田を過ぎて山北に入り県道76号線を進み、谷峨を少し過ぎた辺りで北上します。谷峨からの道は微妙にアップダウンがあり、確実に右膝にダメージを与えていく感じです。次第に力が入らなくなってきます。
ああ、こりゃダメなんじゃないかなーと思ったところで丁度ダムの南の急坂に出くわし、ここで自転車での登坂を諦め、徒歩に切り替えます。ダムまで2kmの標識があったような無かったような、そんな所でしたか。右脚の痛みは自転車を漕ぐよりはマシではあるので、辛うじてゆっくりと坂を登ることができました。
丹沢湖に到着したのは12:00のことで、走行距離は約70km。秦野までは平均25km/hで走れていましたが、そこからは大分ペースを落としています。坂を登っていたし、歩いていたしで、そんなもんかと。
70kmか……この痛みを抱えて家に帰るのかと気が重くなってきます。
しばらく平地が続き、湖沿いの道に建物が散見されるようになってきます。
何か昼飯にありつけそうなところ、もしくは休憩できそうな温泉宿を探します。
宿を探す道中の脇には黄色い水仙が植えられていて、その見た目と香りになんとなく癒されたような感じにはなったのですが、それでも脚は痛みは消えず。
あ、水仙だけでなくミツマタという植物も花を咲かせていて良い香りを放っていました。 和紙の材料にもなった植物だそうです。
洋食屋、喫茶店、蕎麦屋……まあ、せっかくなので蕎麦を頂こうかと。「手打ちそば太平楽」に入店しました。
手打ち蕎麦って良いですよねぇ。水は奇麗でしょうし、きっと蕎麦も美味いに違いないと思いつつ、実際に頼んだのは「やまめの塩焼き上定食」だったりしますが。
こういうところにでも来ないとヤマメなんて食べないでしょうし、せっかくなので食べておきたいところです。ヤマメはサケ科、サケ科の魚に不味い魚はいないのはこの世の摂理なのです。絶対美味しいやつです。
当然のごとく、ヤマメの塩焼きは美味しいし、天ぷらサクサク、付け合わせのきんぴらとウドの味噌和えも大盛りご飯と相性バッチリで文句なしの美味しさでした。ごちそうさまでした。
実は、ヤマメは品切れでイワナであったり、ウドの味噌和えは煮物の代わりであったりしましたが、それはそれで美味しかったです。
食事を終え、ここで戻るかとも思いましたが、ここまで来て温泉に入らずしてどうするのか!と。
まあ、温泉はいればダメージも回復するんじゃね?という算段もあり、ここから丹沢湖を北上し中川温泉「ぶなの湯」を目指します。中川温泉は信玄の隠し湯とも呼ばれているそうです。いや、でも神奈川県なのだから北条の隠し湯の方が良いんじゃないかと思いますが、人気の点でそうせざるを得ないのでしょうか。
「ぶなの湯」へは「手打ちそば太平楽」から4km北上すれば着きます。ずっと登りですけれども。
「ぶなの湯」はホテルや旅館ではなく、山北町営の入浴施設で、休憩所と自販機と浴場があります。施設的にはちょっと休憩出来ますよといった按排なので、四の五の言わずさっさと温泉に入ります。足が痛いのは相変わらずなので早く治したいのです。
丹沢の温泉というと思い出すのは七沢温泉だったりしますが、その泉質はとてもトロトロしたもので、あまりそこから遠くはない中川温泉も同じようなものなのかとは思っていましたが別にそんなことはなく非常にサラサラの気持ちいいお湯です。東と西で大分違うようです。
とはいえ、その疲労回復効果に違いはなく足の痛みもあっという間に消えていきました。
よし、これで帰れるな!とは思いましたが、逆にこのまま湯に浸かって帰りたくないとも同時に思えてくるのが温泉というもので、ここで一時間ぐらいはいたような気がします。
横浜、遠いなぁと思いつつも、いつまでもここにはいられないので帰途に就くことにします。
帰路は来た道を行かず、一旦小田原方面に行き、国道一号線伝いに走りました。距離としては回り道なので長くなりますが、海岸沿いは登りというほどの坂が無いので、痛めた脚の負担も極力無く楽に進めるだろうと考えました。
途中、茅ケ崎で食事を取ったあたりで日が暮れ、そのまま家路を急いで20:00に自宅着となりました。走行距離152kmでした。
リハビリとしては十分に走ったと思います。温泉で和らいだとはいえ脚の痛みも残っているところでどうにか走れましたし、丹沢の自然を感じることができて楽しかったなと思いました。
余韻のような疲労感を残しつつ、眠りに着きます。ぐっすり寝られることでしょう。
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